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書き仕事が中心となるシナリオライターのドラマを如何にアクティブに描出するか。
映画としては困難な題材だろうが、『風立ちぬ』の図面書きのようによく工夫している。 最後の挑戦となる執筆を前に、髪を束ねる麻生久美子の凛とした横顔。 安田章大と麻生のリズミカルなカットバックと、キーボードを打つ手のアクションが、 手持ちカメラの躍動と共に画面を弾ませる。 一方で、要所要所では丹念な長廻しによって俳優の心情の静かな昂ぶりを収めきる。 友人の結婚式の帰り、安田に携帯電話をかけるシーン。 岡田義徳の部屋で泣きだすシーン。それぞれに、麻生のナチュラルな芝居が活きている。 脚本あっての映画だが、俳優の活かし方が良いのだろう。 主演らの芝居の背後にさりげなく映っている助演たちもまた彼らの世界を生きている、 という細やかさがいい。 双子の姉妹とか、本筋とは無関係ながらそのキャラクターたちから 映画が豊かに肉付けされていく感覚がある。 出番としては少ない山田真歩も、彼女なりのドラマを持った役柄となっており、 それが作劇にも活かされている。 【ユーカラ】さん [映画館(邦画)] 7点(2013-11-10 21:55:35)
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