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《ネタバレ》 何とも深い…。基本的には「精神病院に縛られた患者たちが解放されていく物語」なのだが、そう単純には割り切れない映画である。というのも、時にマクマーフィを単なるわがままな乱暴者として描いてみせたり、一部の患者に対しても「いつでも帰れるのに自主的に病院にとどまり、それでいて文句をタレる」という設定を加えることで、ある意味観客から彼らを突き放すような形で描いているように思えるのだ。あとあの婦長さん、決して悪い人ではないですよね。むしろ病院側の人間の中では一番まともにさえ思える。確かに規則に束縛されたガチガチの石頭かもしれないが、彼女は彼女なりに患者たちのことを考えているわけだし(本当にぞんざいに考えているのなら、あのようなミーティングは決して行わないでしょう)。単純に「患者=善」「病院=悪」と割り切らせず、最後まで観る者を揺さぶり続ける。「こんな彼らをみてあなたはどう思いますか?」と。そして僕は思わず考えずにはいられない。日常生活の中で、ブツクサ愚痴るだけでそこから行動に移そうとしない僕も、実はあの入院患者たちと変わらないなんじゃないかと。う~ん…。
【とかげ12号】さん [DVD(字幕)] 9点(2006-01-14 00:00:52)
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