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《ネタバレ》 そもそも博物館の標本は何のためにあるのか。その場所で見ることのできない、もしくは現在では見ることのできないものを再現するためである。観客たちはそれを見ながらその場所やその時代に思いをはせるのである。この映画、それを楽しく実現してくれているのだ。単なる子供向き映画ではなく、博物館にとっての究極の夢の具現化といってもいい。さらにこの映画は博物館内の陳列物同士の人間関係まで膨らませている。ローマ人とガンマン、ルーズベルトとサカジャウィアなどなど、それぞれが蝋人形やミニチュアとわきまえながら今を生きているのだ。この映画を見た後の博物館見学はもっとゆっくり標本を見て回ろうとおもう。江戸時代の侍がマリー・アントワネットの噂話をしながら、ピラミッドの建設を手伝っているかもしれない。そして驚くべきは、エンドロールでのディック・ヴァン・ダイク。奇跡のようなダンスが披露されている。おそらく現場のスタッフ全員で感動したに違いない。チキチキバンバンやメリーポピンズで育った世代にとってあの柔軟な身のこなしは、博物館にしまっておくものではないと判断したのだろう。
【やしき】さん [映画館(吹替)] 8点(2008-06-14 12:53:14)
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