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《ネタバレ》 前半の決死のサバイバル、ケリーに会いたいの一心で耐え忍んだ努力をしっかり見せていたにもかかわらず、「覆水盆に返らず」だと悟って「次に進め」はいくら何でも骨折り損だ。もちろん世の中すべてうまくいくわけがないが、映画だけでも希望を見出したいよ、この手の作品は。
生還を知ったケリーに旦那だけでなく子供が映り込む瞬間に、常識人だった主人公の行動は決定された。 あっさり4年もワープした進展具合が、ここにきて意味が出る。1年であれば、実は彼の子供でしたというハッピーエンドが用意(しかも再会したときは、主人公はすでにほかの男性と結婚して子供もいる、という勘違い描写付き)で、お決まりのハッピーエンド。 しかし本作はそれを封じるためにも4年後の設定。こうなると、さて、この男は観客の予想を裏切ってどんな行動をとるのかに絞られるが、結局は常識人で終了。ってことは何を言いたいの?となる。 俳優人トム・ハンクスだけはやりがいはあっただろう。普通の映画ならサバイバルのみか生還の苦悩どちらかだけが、両方演じられるのだから。 さらに、生還後をそれなりに尺を使って旦那を登場させたり、ケリーと会話させたりすることで、妙な雑念もわいてくる。 ケリーはいつから歯科医と親密になったのか?恋人の担当歯科医がどのようにしてケリーと知り合い心の隙間を埋めるようになったのか?彼女は目標をいったん取りやめていたと語っているが、歯科医の妻として不満なく生活しているのは明らかだ。そう考えると、主人公をそこまで愛していなかったのでは?なんて邪推も生まれてくる。 飛行機墜落から生還した男が、だれからも必要とされなかった、という流れには感動という言葉は与えられない。 ただ、ショーシャンク~作品の系譜と似ていることを考えると、キリスト教の精神が垣間見える。それで納得するしかない。 【やしき】さん [CS・衛星(吹替)] 6点(2021-03-30 16:49:03)
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