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ヴェネチア映画祭に出品したというキムギドク初期の傑作。米軍基地や食用犬業者や混血児など様々なキーワードが出てくるがそれそのものが問題提起されるわけではなく、あくまで背景として描かれる。ギドク作品全般に言える事だが、登場人物があまり喋らない。というか周囲との意思の疎通が出来ていない。だから誰かが殴られたり、泣いたり、暴れたり、死んだりする。唯一しっかりと意思伝達を計ろうとしているのが行方不明の夫への手紙を書く女だ。手紙のシーンになるときまってエリックサティの音楽が流れる。これは映画全体の中で希望を感じさせるシーンであり、安堵する場面でもある。それ以外はひたすら登場人物がいがみ合ったり殴り合ったりしています。まったく救いようがないが、キムギドク映画では当たり前の光景なのでもはや驚かない。絵を描く青年はキムギドク自身がモデルなのだろうか。終始傍観者に徹しているが、これは彼が見てきた世界なのかもしれない。
【ヴレア】さん [DVD(字幕)] 9点(2005-11-11 23:46:05)
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