ダゲレオタイプの女 の ヴレア さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > タ行
 > ダゲレオタイプの女
 > ヴレアさんのレビュー
ダゲレオタイプの女 の ヴレア さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 ダゲレオタイプの女
製作国,ベルギー,
上映時間131分
劇場公開日 2016-10-15
ジャンルドラマ,ホラー,ミステリー,ロマンス
レビュー情報
ダゲレオタイプ・・・妙に惹かれませんか?このタイトル。一体何なのか想像もつかないでしょ?ステレオタイプじゃないよ。
私もそんな風にして妙に気になるタイトルだったので、何気なくレンタルしてみたのだった。勿論大好きな黒沢清作品という事もあったが。なんでもダゲレオタイプは170年前の撮影法らしい。でも、映画を観終わって改めて思うに”ダゲレオタイプの女”というよりも、”ダゲレオタイプの男”もしくは”ダゲレオタイプ狂いの男”と言った方がこの映画を的確に表していると思った。でもそんなタイトルじゃあ誰も興味を惹かれないでしょうけどね。あはは。

最初は、普通にアート系の映画かと思いきや、そこはやはり清なので実は凄いサスペンスホラーで。詳しく書くとネタバレになっちゃうんで自粛しますが、簡単にあらすじを紹介すると、何故か今時、世界最古の撮影法であるダゲレオタイプにこだわる男が居て、妻を撮影していたが亡くなってしまった為、代わりに娘を撮影しているという。それはダゲレオタイプで撮影すると魂を生きたまま永遠に保存できると信じているかららしい。そんなダゲレオタイプ狂いの男と、それを手伝う内に彼の娘に恋をしていく事になる主人公を描いた物語。

このダゲレオタイプの機材だとか、撮影されたでっかい”シャシン”だとか、それらの道具が凄い印象に残った。それにしても、ダゲレオタイプで撮影するには露光時間の関係で20分から70分、多い時で120分くらいジーっとしていなきゃならない。そこでモデルを固定するための道具があって、固定して撮影するというのがなんだかシュールで可笑しいが、これは大変な作業だと思った。
面白かったのは最初はカメラとか芸術に全然興味の無かった主人公が、次第にダゲレオタイプの世界に魅入られて行く所。また、この主人公が段々と狂っていくところが怖くて、監督の前作「クリーピー」でしだいに狂っていった西島秀俊を思いおこさせた。
直接的なホラー描写はあまりないんだけど、黒沢映画特有のジワジワと攻めてくるような怖さがあり、勝手に閉まる扉や、明暗はっきり分かれた映像、ロケーションの美しさ、など見所は多い。「岸辺の旅」に通じるテーマ性もはらんでいて、後半の展開はとても切ない。
ヴレアさん [ブルーレイ(字幕)] 10点(2017-09-18 19:45:13)
ヴレア さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2021-11-07アイの歌声を聴かせて7レビュー7.42点
ひらいて9レビュー7.33点
劇場版 きのう何食べた?8レビュー7.75点
2021-10-23CUBE 一度入ったら、最後3レビュー4.06点
2021-09-17サマーフィルムにのって9レビュー7.10点
2021-07-16竜とそばかすの姫2レビュー5.30点
2021-03-08シン・エヴァンゲリオン劇場版:||10レビュー6.70点
2020-11-03きみの瞳(め)が問いかけている4レビュー5.60点
2020-11-03静かな雨4レビュー6.33点
2020-11-03望み7レビュー6.11点
ダゲレオタイプの女のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS