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《ネタバレ》 貧困と日々の生活に追われる中、自分の身なりにまで気が行き届かなくなる清兵衛。そんな暮らしぶりでも、2人の娘の成長を見守ることに喜びを見出すことができる。成り行きとはいえ朋江の為に死合いをしたこと、彼女を慮って再縁話を断ったこと。様々な出来事、そして立ち居振る舞いから、清兵衛の実直な性格と清い心が感じ取れます。ですから清兵衛に強く思い入れることができます。藩命の名のもと、立会いを受けざるを得なかった清兵衛が抱いたであろう憤り、無力感、悲しみ、諦め、やるせなさ…。そして生死の境を目の前に朋江に胸の内を告げ、返事を聞いた時に感じたであろう後悔、失望、恥ずかしさ…。清兵衛の複雑な心情が伝わってきて、切なくも心を打ちます。メインキャストはもちろんのこと、全編にわたり“人”を丁寧に描いている印象を受けました。(本作の真田広之と宮沢りえは文句なく素晴らしかった!)自分は運命という言葉が好きではありません。でも縁という言葉は好きです。清兵衛と朋江がこのように再び出会い、結ばれたのもすべて人の世の縁という気がしました。良作だと思います。ただ、エンディングの井上陽水だけはいただけません。
【目隠シスト】さん [DVD(邦画)] 9点(2006-08-30 18:11:59)(良:2票)
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