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《ネタバレ》 松子の境遇は、本当に不条理に満ちていて、この感想は映画を観てから一日おいて書いているのだけれども、いまだに松子が緊張するときの顔の表情が思い浮かんできて、
愛おしさと胸苦しさを覚えます。それほど、松子役の中谷美紀が素晴らしかった。 ストーリーは薄幸な女性の転落のきっかけから死に至るまでのお話し。男運に恵まれず、巡り会うたびにどんどん転落していくのだけれど、それでも松子はひたむきに人を 信じて愛することを選択するといった、ある種マリア的とも思えるような位置づけを十分意識したシナリオでした。このように書くとよくある映画のようですが、ミュージカル仕立てでテンポが良く、個性的なキャラクター・俳優が小気味よく出演し、所々でコミカルな部分もあり、十分楽しめますが、自分には「楽しい」というよりも、やはりテーマが重いだけに「良くできた映画」だなという感じがします。 「薄幸の女性・人を殺める・ミュージカル」ということであれば「ダンサー・イン・ザ・ダーク」を私は思い浮かべてしまいましたが、別に比べる必要はないのでしょうけど、私は「救い」という点で「松子の生涯」の方がいいなあと思います。 ただ、映画のラストで、松子の魂が家に帰るという帰結はよくわかるのですが、そのシーンが長すぎる。欲を言えば、他の終わらせかたもできたのではなかったかなと思った点が残念。ただ映画館で観ていれば、もっとジーンときてやや長めのラスト部分で、目がウルウル状態で逆に満足だったかも知れませんが・・・ 【たくみ】さん [DVD(邦画)] 7点(2008-04-13 17:10:22)
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