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《ネタバレ》 冒頭のモノローグから一気に引き込まれた。トム・ウィルキンソンではなく、ティルダ・スウィントンの方がアカデミー賞を受賞したようだが、個人的には前者の演技力に魅せられた。しゃべり方や顔の作り方で、精神の不安定な動きをとてもうまく表現している。さすが名脇役だ。
話の筋は、それほど強烈なものではないが、それぞれに弱さを抱えた登場人物たちの思いがよく伝わってきた。これは、キャストの演技力に負うところが大きい。話の伏線として、ファンタジー小説の筋について、マイケルの息子とアーサーが電話で会話するところは、脚本が上手だなと感じた。「皆が同じ夢を見ているのに、それを口に出せない」という部分は、組織の弱さをうまく衝いた言葉で、アーサーが感銘を受けるのもうなずける。 ラストは凡庸でちょっと詰めが甘すぎる気がしたが、ここでのスウィントンの演技は素晴らしく、脇役対決を制したことにあまり違和感は無くなった。お手本のような社会派作品と言うと褒めすぎだが、きちんとツボを押さえた作品に仕上がっている。 【枕流】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-02-08 17:42:19)(良:1票)
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