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レビュー情報
《ネタバレ》 脚本はカリエール。原作は世紀末ウィーンのシュニッツラー、あの『アイズワイドシャット』の原作者にもなる。後半滅びの予感というかその転変が、前半のユーモアとうまく対比される予定だったんだろうね。ラスト、卑しいスパイの条件を呑んで古都ヴェネツィアに戻っていくあたり、腐敗と死の匂いが立ち込めて終わるのが、カサノヴァの時代というより、もう1世紀ほどこっちっぽい。かつての色男をアラン・ドロンがやるってのが売りなんだけど、まだカッコよすぎる。もう少し崩れてもいいと思うが、製作総指揮がアラン・ドロン本人なんで仕方ないか。ドロンは終始一つの表情だけだった。没落する色男と対比されるのは、科学の娘の登場。「戦争もいいもんです、軍隊が減るから」いう自由人でいられたのの終わりでもある。この監督はなんでも『地獄に堕ちた勇者ども』に端役で出てたそうなんだけど、コクの出し方を学ばなかったな。
【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 5点(2011-07-15 09:57:52)
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