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《ネタバレ》 全部で何カットあったんだろう、「キビキビしている」と「目まぐるしい」の間ぐらいの感じでずんずん進む。正直言って前半は「目まぐるしい」が優勢でいささか疲労気味だったが、だんだんテーマが見えてくると、ノレた。そうすると映画もキビキビ感じるのだから、いいかげんなものだ。どってことないコメディかと思っていたら、しだいにツインピークスめいた空気が流れ出し、銃が似合わぬ人たちとの壮絶な銃撃戦にまで至ってしまう。あの国は伝統のある保守的な国だから、かえって保守的なものへの警戒が強いのだろう。“公共の利益”という怪物に支配された“安全な町”、それを作っている“近隣監視同盟”。荒唐無稽ではあるが、よそ者への敵意を秘めた地方都市の現実と、どこかでちゃんとつながっている。この荒唐無稽は、やたら安全が叫ばれるようになりだした国の民としては、けっこう迫る。そこを押さえているから、ラストもただのアドレナリン系の発散ではなく、ブラックユーモアに満ちた納得のある痛快さになっていた。ただ、子どもたちや警官仲間があっさり主人公側に付くのがちと緩く、おそらくこういう風土ではまっさきに子どもたちが組織されて“愛郷防衛少年団”にされてるだろう。それとラストが一つ余計だったと思うが、いかにも英国ならではのハスに構えた姿勢が嬉しく、楽しめた。
【なんのかんの】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-07-10 12:11:44)(良:1票)
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