涙を、獅子のたて髪に の なんのかんの さんのクチコミ・感想

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涙を、獅子のたて髪に の なんのかんの さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 涙を、獅子のたて髪に
製作国
上映時間97分
劇場公開日 1962-09-30
ジャンルドラマ,モノクロ映画,青春もの,ヤクザ・マフィア
レビュー情報
《ネタバレ》 飼いならされた野良犬が、最後に主人を噛むという話。主人を信じて疑わぬチンピラってのは『酔いどれ天使』にも通じるが、ロカビリー歌手藤木孝の反抗とナイーブさという売りが、こういう役に起用するには合うわけだ。いくつか篠田らしい写真的な構図があったりしたけど、どちらかというと音のほうが面白かった。音楽は武満、後の『燃える秋』にちょっと似ている弦の響きで、彼のメランコリーが溢れている。途中フガートめいたところもあり、実に丁寧。日本の映画音楽は作曲家の道場として、いろいろな実験やら練習やらを自在に試みられる場として役立っていたのだ。木場のシーンでは、音響処理を施した木やり唄のようなものも聞こえてくる。主人公の藤木が上流パーティ(ドボルザークの「アメリカ」が流れている)の席でロカビリーをソロで歌わされるシーン、この歌がまた見事だった。正直ロカビリーなんて、ギターのコードとドラムのリズムがないと、聞けたもんじゃないだろうと思っていたが、藤木の声は堂々と自立していた。ゴダールの『ワン・プラス・ワン』では、ローリング・ストーンズの録音風景からバックの音を抜いてしまうシーンがあり、声だけのロックはなんとも心細いものになったが、そこいくと藤木、あんたは偉い。
なんのかんのさん [映画館(邦画)] 6点(2009-06-22 12:04:57)
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投稿日付邦題コメント平均点
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