| 作品情報
レビュー情報
《ネタバレ》 古い器物が化け物になるという発想はもう今昔物語の昔からあり、いにしえの人が身近に置き愛玩していた道具に、なにやら執着が付き添い怪しい奥行きが出てくる、って感覚はよく分かる。まして楽器という精神性の高い道具ならなおさら。それぞれの時代で持ち主の不幸を奏でながら流浪するバイオリン、ってな話。怖いのは何話目だったか、パガニーニを思わせるような音楽家、その浮気がバイオリンの音色の変化で分かってしまうってやつ。で妻はピストル撃つのだが、それは女でも男でもなくバイオリンに向けられる。恋敵はバイオリンなんだな。我々が支配し切ったつもりになっている道具というものも、そっちの側からこっちを見る視線を感じれば、けっこう怖い材料になる。
【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 7点(2008-12-04 12:13:54)
なんのかんの さんの 最近のクチコミ・感想
|