山椒大夫 の なんのかんの さんのクチコミ・感想

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山椒大夫 の なんのかんの さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 山椒大夫
製作国
上映時間124分
劇場公開日 1954-03-31
ジャンルドラマ,時代劇,モノクロ映画,小説の映画化
レビュー情報
立派な作品です。水辺のシーンは、誘拐の場、入水の場、母との再会の場(ラストのパンより厨子王が駆け寄るところ)と、どれも素晴らしいし、セットも重厚、厨子王を探して松明かざした追っ手が寺の境内に詰めかけるあたりの空間処理は見事の一語。でもそれがどこか、クラシック歌手がスマして童謡歌ってる時のような、ピタリと合ってない違和感もある。テーマとしても、社会的に固まってしまっているシステムへ反抗することの困難さ、つまり革命の難しさをけっこう詰めて描いている一方、主人公周辺は“昔話”のトーンで進められる。溝口作品では珍しく、男女の恋愛が描かれない。女っけのない、母と妹しか頭にない主人公って、これやっぱり昔話の登場人物だよね。だから彼がやったことは昔話としては納得いくんだけど、社会変革者としてみると、自己満足というか単に意趣がえしでしかなく、あの解放された下人らの未来もあんまり明るそうではない。そこらへんのトーンのブレが気にかかる。ただ人さらいの毛利菊枝の怖さは別格で、この監督は悪い女を描くと変に染み入って記憶に残るんだ。『夜の女たち』って、作品自体は部分的にしか記憶に残ってないんだけど、転落のきっかけになる古着屋のおかみさんの、親切ごかした悪意の描写は染み入った。関西人ならではのねっとり感があって、いやーな薄暗い感じが滲んでくる。そうか、どっとも親切めかして田中絹代を“遊女”に落としたわけか。この種の酷薄さを描くと、凄い監督だった。
なんのかんのさん [映画館(邦画)] 7点(2009-07-18 12:01:25)(良:2票)
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投稿日付邦題コメント平均点
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2014-03-13オリバー!7レビュー6.08点
2014-03-12世界の中心で、愛をさけぶ6レビュー5.27点
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2014-03-10ゴースト/ニューヨークの幻7レビュー7.02点
2014-03-09EMMA/エマ(1988)6レビュー6.00点
2014-03-08稲村ジェーン4レビュー2.41点
2014-03-07つぐみ5レビュー4.96点
2014-03-06ボイス・オブ・ムーン6レビュー5.25点
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