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侘しさ・ひなび・渋味・地味と鳥取篇。杉山とく子の店のエピソードのしみじみした感じあたりは、やはり良い。豆腐を入れたまま流れていく鍋。一本の作品としては求心力が弱いが、就職とか母の愛人とか「少女の脱皮」ものでくくれたか。就職がうまくいかないあたりが丁寧で、社会への気後れの出し方がうまいので、思わず応援したくなる。寅のほうは吉田日出子なんだけど、もう今までのマドンナシステムは完全に崩壊して旅先でのエピソード止まり。柴又にも来ない。うまく行きそうになると逃げ腰になる伯父さんを、満男は反面教師として眺めているのでありました。もう完全にミツオ=イヅミが主役(そのせいでダンゴ屋に人を吸い寄せる力がなくなったんだろう)。帰りの列車、向かい合ってた二人が、寝てる客のせいで並んで座って、手を重ねるなんて段取り、こういうとこはやっぱりいいな。
【なんのかんの】さん [映画館(邦画)] 6点(2012-08-05 08:58:57)
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