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これはキューブリック、企画にも脚本にも絡んでないのね。だから「見物される闘い」が出てきたからって偶然なんだろうが、『非情の罠』のボクシングや『時計じかけのオレンジ』のラストとか、『バリー・リンドン』でも軍隊で拳闘試合あったし、好みのモチーフというか、創作欲を刺激されるシチュエーションかと思われ、彼の脚本だと都合がいいんだけどなあ。屈辱感と残酷さと。武闘訓練のしつこさは『フルメタル・ジャケット』につながると思えるじゃないか。戦士を選ぶ女たちが柵の向こうから値踏みしているところをじっくり撮り続ける粘っこさ。やはり「見物される闘い」への執着を思ってしまう。前半の反抗への下準備のあたりが丁寧で映画として充実して感じられる部分。トニー・カーチスとの闘いが、心理的なヤマ場になる。闘わせられる者の屈辱と栄光、ああやっぱりこれ彼のモチーフなんだけどなあ。
【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 7点(2012-11-23 10:11:00)
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