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《ネタバレ》 ちらちらするろうそくの明かり、外のシーンでも、雨降りか霧、足元はひどいぬかるみか土ぼこり、というわけで、ずっと画面は薄暗く煙ったようで、これは劇場で見ないと、なにがなんだかわからないかも。
デップの黒い瞳の輝きは堪能できたが、ほんとの見所は、病気で目が曇り、皮膚がただれて、美しさなどかけらもなくなってからの演技だろう。 さんざん好き勝手なことをやったあげく、身も心もぼろぼろになった反逆児が、死を前にして、いちばん愛した女に「おまえと結婚したかった」だの「おまえとの間に子供がいれば」だの、まともな人間らしいセリフを言うのを見ると、なんだかそっちのほうが世迷言に聞こえる。しかも、自分が見出して、売れっ子女優に仕立て上げた愛人には、「もう借りは返したから五分五分ね」とばかりに、袖にされるというありさま。この結末は、ほんとにトホホだった。最後まで突っ張りきれない人間の弱さを描く、という意味では、大成功だったわけだが。 サマンサ・モートンじゃ、顔立ちも雰囲気も現代的すぎてあわないんじゃ? と思ったが、役柄自体も、ものすごく現代的だったので、これでよし。マルコビッチは、無表情な中に、なんともいえない存在感があった。 ロザムンド・パイクは『プライドと偏見』では、まったく煮え切らない役で、キーラ・ナイトレイの引き立て役になってしまっていたが、プライドと夫への愛の間で苦しむ姿が、さまになっていた。トム・ホランダー、ルパート・フレンド、ケリー・ライリーも、『プライドと偏見』で見たばっかりで、4人も出演者がかぶっているので、なんかへんな感じ。韓国ドラマじゃあるまいし。イギリスものっていうと、こうなっちゃうのかしら。 【yhlee】さん [映画館(字幕)] 6点(2007-07-25 15:30:36)
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