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《ネタバレ》 相手の精神に潜ってトラウマを植えつけたり、情報を盗んだりするというアイディアは、30年以上前から続く夢枕獏氏の傑作伝奇SF「サイコダイバー」シリーズがあるので特に目新しいものではない。現実と似ていながら物理法則の異なる一種の仮想空間として描かれた「夢」のイメージも、「マトリックス」を髣髴とさせる。にもかかわらず、この映画からは二番煎じ的な印象をまったく受けない。それは、「時間経過の異なる多層的夢の空間」や「キックと呼ばれる目覚めのシステム」「トーテムといったちょっとしたアイテム」など、実は誰でも思いつきそうなアイディアを、今まで誰もやらなかった独創的な描き方で作品内に組み込み物語の中で生かしきった監督の手腕に、余人にはない素晴らしいオリジナリティを感じたからだと思う。最後コマは倒れるか否か?答えは自分で考えて……と観客に投げる締め方は、かの「あしたのジョー」の、ジョーは死んだのか否か?答えは自分で考えて……というラストを思い出した。(こういうの好きなんだよなあ^^)筋立てそのものは単純明快だけど、基本的な設定に関わる説明を会話でさらりと済ませたり、実は細部に辻褄のおかしい部分もあるので、理詰めで全体を理解しようとすると妙に疲れたりこんがらがって、人によっては難解と感じてしまうかもしれない。
(自分も実はこのタイプで、見終わった後ちょっとしたモヤモヤが残る感じ。解消するためにもう一回見ようかな?) 【大鉄人28号】さん [映画館(字幕)] 7点(2010-09-07 16:53:37)
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