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《ネタバレ》 ■←この表示があるにも関わらず、ついつい観賞前にレビューを読んでしまう方、この映画は間違いなくそれをしてはいけない作品の一つである。■アメリカ大統領が暗殺される映画となると、2時間を優に越える大作かと構えてしまうのだが、あっさり90分でスカッと終わってスカッと楽しめた。推理サスペンスは本来、極端に言ってしまえばプロットの構造だけが重要なわけだが、ここまで枝葉末節をバッサリ切ってこの尺にまとめ上げてしまう力技は、『フォーン・ブース』を連想させる。■デニス・クエイド演じるバーンズは、己の「仕事」としてこれを全うしようとしているのに対して、一方のテロリスト側は歴史とか宗教とか、もっと広範な問題意識を抱え込んでいる。端的に言えば、バーンズの敵は自分自身で、テロリスト達の敵は(欧米)世界だ。だから、スアレス(テロ側の頭目)の最期のセリフで、それまでの10数分バーンズに感情移入していた観客は、突然無限の空間に放り込まれたかのような、居心地の悪い思いをさせられるのである。この、何というか、情念の質のギャップみたいなものが、この作品のもう一つのテーマか。■カーチェイスは迫力充分。近年でも出色の出来。■デニス・クエイドは顔が引き締まってて、一瞬往時のハリソン・フォードかと思った。アイェレット・ゾラーは初めて見たが、魅力的な女優さん。
【麦酒男爵】さん [映画館(字幕)] 7点(2008-03-15 16:17:49)(良:1票)
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