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レビュー情報
《ネタバレ》 『頭の中が色々なキャラクターや建物が存在する町になっている』と言う古典的な設定を見事に使いこなしている。
そもそもガチガチの専門家ですらよく解明されていない頭の中を良く再現しており、小さいころは『楽しい思い出』『悲しい思い出』等単純なものから『悲しかったけど良い思い出』『いい想い出だからこそ思い出すと悲しくなる』と言う心の多様化(成長)が劇中全体を通してとても丁寧に画かれている。 細かいところでは思い出の保管庫(ボーリング玉をしまっておく棚みたいなの)が脳のシワを表していたり。 ただ何といっても素晴らしいと感じたのが、主人公である少女の体験と頭の中のキャラクターの成長がシンクロしているところ。 この手の内容の場合、例えばギャグ作品とかだと頭の中がグチャグチャになった結果、登場人物がハチャメチャな行動をとってしまうというのが良くある(決してそれが悪いとは言わない)が、本作の場合『ヨロコビ(キャラクター)と、少女の人格を形成している『大切な思い出』が行方不明になっていしまう』と言う事件の結果、少女に起こってしまう心境の変化を『引越しで不安になり何もかも上手くいかない』と言う実生活でもありうつイベントで無理なく表現しており、『頭の中の事件で主人がおかしくなる』と言うよりは『生活している上で起こる心の不安定と言った『化学反応のようなもの』を、『頭の中の事件(擬人化?)』として表現する』と言う逆説のような演出が非常に素晴らしい。まぁこういった演出も無くはないが、なんと表現していいのか分からないが、片方の演出が強すぎてもう片方が引っ張られること無く、非常に滑らかにお互いが干渉し合っているのが凄い。 所々のギャグもピクサー作品の中では好きな部類で、私の父親も人の話を利かなかったり、意味も無く『ポリンキーのCM曲』が無限ループしてしまう、と言った部分の理由がものすごく共感して笑ってしまった。 【ムラン】さん [ブルーレイ(吹替)] 9点(2016-01-02 20:00:12)(良:1票)
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