シン・ゴジラ の ムラン さんのクチコミ・感想

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シン・ゴジラ の ムラン さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 シン・ゴジラ
製作国
上映時間118分
劇場公開日 2016-07-29
ジャンルSF,シリーズもの,パニックもの,政治もの,特撮もの,モンスター映画
レビュー情報
《ネタバレ》 ゴジラに敵対する凶悪な怪獣や、スーパーXやモゲラと言ったステキ兵器とのバトルが無い点は、『VS』シリーズで育った私としてはいささか物足りなさを感じてしまった。
しかし、それに関しては予告の時点で初代を意識した作品になることは想定していたし、むしろ思っていた以上に娯楽性があり個人的には良かった。
序盤の政治家たちがゴジラ出現で右往左往するシーンは、本人たちは至って真面目だが端から見ているとどこかドタバタコメディを髣髴させると言った、劇パトを思い起こされるような印象を受けた。
また、登場人物の行動もどこか『アニメっぽい』印象を受けながらそれでいて無理やり感も無く、ここらへんはアニメと実写両方の監督をしている庵野さんの経験が上手く活かされていると感じた。
CGに関しては素晴らしいの一言。特に都心部に現れたゴジラは、これまで私が見たどのシリーズよりも『ゴジラが本当に東京にいる』感が出ていた。アングルや演出も、過去のミニチュアセットやCG技術では難しかったようなものも随所に見られ、とことんシンゴジラの勇姿(?)を堪能できた。
ゴジラの代名詞たる熱線も、最初はただの炎の奔流からバーナーの如く徐々に収束していき、最後はレーザーへと変貌していく様子は実に格好良い。
ストーリーに関して言えば『エヴァや陽電子砲と言った超兵器が無いネルフの皆さんが、ゴジラ相手に知恵を絞ってがんばる』と言った、悪く言えば『ヤシマ作戦の焼き直し』だが、『ヤシマ作戦の演出を対ゴジラ用に上手く落とし込んでいる』と言えなくもなく、不必要且つ過度に類似した演出を加えていることから、庵野さんも確信犯なのだろう。。
後半になるにつれて、シリアスさを増しつつもバラバラだった登場人物達が少しずつまとまっていくので、ドラマパートが多いにも関わらず退屈しなかった。

総評
多少エヴァ成分が強めなのが気になるが、それでも決して独りよがりな演出や話になることなく、どの世代のゴジラファンでも最低限は楽しめる作品に仕上がっており、実際は違うかもしれないが、ゴジラだけでなく、ゴジラファンに対しての気遣いのような庵野さんの愛を感じられる作品だった。
少なくとも、私の人生で数少ない『恐らく全力で殴っても罪悪感を感じなさそうな人』にカテゴライズされている某監督の『ゴジラの名を借りた駄アクション映画』とは比べるだけで失礼に当たる程の良出来であり、そしてその『最終蜥蜴合戦』以降止まっていたゴジラ(日本製)の歴史を進めてくれた庵野さんには筆舌し難い感謝の念しかない。もう10年掛かろうが未完で終わろうが構わないので、お体に気をつけてゆっくりもう一方も製作してください。待ってます。
ムランさん [映画館(邦画)] 10点(2016-07-30 00:28:11)(良:3票)
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