平成狸合戦ぽんぽこ の 黒猫クック さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > ヘ行
 > 平成狸合戦ぽんぽこ
 > 黒猫クックさんのレビュー
平成狸合戦ぽんぽこ の 黒猫クック さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 平成狸合戦ぽんぽこ
製作国
上映時間119分
劇場公開日 1994-07-16
ジャンルドラマ,コメディ,ファンタジー,アニメ,動物もの
レビュー情報
《ネタバレ》 正直、説教臭さとか説明臭さとか、嫌いじゃ無い。と言うかむしろ好き。ナウシカのように美少女が生物や環境を護る説法や、物の怪のように旧世界の叡智や驚異を尊重する話、千と千尋のように礼や職業の大切さを気付かせようとする話、こう言う物をアニメで見せられてさえ説教臭いと切り捨ててしまう方が違和感を感じる。現実に即した主題であればそのような方向に収束するのは当然、というかそう収束しなければ落としにくい。

 平成狸合戦ぽんぽこの場合はどうだろうか。バブルを反省するかのような出来事に、狸たちが立ち向かう。何かの団体を狸に置き換えた所にソフトさを見て取れるが、実際はいったん人間で作ったプロットを一つ一つ狸に置き換えて再構築したようなリアリティが匂う。
 主人公である狸たちにどうしても観客は感情移入しなければと思うが、彼らの性急で頑なな考えには賛同しかねてしまうところが本当の言いたいところだったのだろう。
 そうするとどうだろう。
 せっかくジブリが制作したアニメが、狸の皮を被って思想劇を始めてしまう。フォーマットは至って子供向けなのだが、そのままの形で重厚な異質を描いてしまう事が大人にも子供にも、説教好きにもそうでない人にも白々しい空気を吸わせてしまったのでは無いか。

 簡単に言えば、ジブリのスタッフを使った時事ネタで実験した程度の話だろうか。当事者は使命感に燃えてやったのだろうけど、アニメ映画の役割がそう言う物だろうかと考えるとどうしても、
「それは子供向けアニメで主張する類のテーマじゃ無い」
 と言いたくなる、本当はそうでなくても。だけれど大きな違和感がそう言いたくさせる。組み合わせて良いものとそうで無い物の境界線を越えているからなんだろう。

 その内再評価されるかもしれないが、当分先だと思う。
黒猫クックさん [ビデオ(邦画)] 6点(2012-12-06 15:48:55)(良:1票)
黒猫クック さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2016-01-10スター・ウォーズ/フォースの覚醒8レビュー6.85点
2015-12-26ロボコップ(2014)9レビュー5.66点
2015-09-20007/慰めの報酬7レビュー6.16点
2015-06-14映画 鈴木先生8レビュー6.24点
2015-06-08バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)9レビュー6.37点
2015-04-13機動戦士ガンダムUC/episode 5 黒いユニコーン5レビュー5.33点
2015-04-12007/消されたライセンス6レビュー6.65点
2015-03-29アメリカン・スナイパー9レビュー6.94点
2015-03-23遊星からの物体X8レビュー7.70点
2015-03-21007/カジノ・ロワイヤル(2006)8レビュー7.14点
平成狸合戦ぽんぽこのレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS