ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女 の 黒猫クック さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > ナ行
 > ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女
 > 黒猫クックさんのレビュー
ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女 の 黒猫クック さんのクチコミ・感想
作品情報
レビュー情報
原作ものの悪いところを最大限に引き出してしまっている。
読んでいないが、あまりにも雰囲気が継ぎ接ぎで単なる映像化の一例になってしまった感じだ。
一巻でファンが悶えるポイントを、らしい映像化でつなげていったという感じではないかと思う。
おそらく中終盤が持つだろう原作の中核的な色ではなく、80年代風ファンタジー映画という個性でまとめられているのは疑問だった。
もしこの雰囲気が原作の雰囲気であればそれは原作が原作ものを売りにしているファンタジー映画に劣る可能性があるがそうではないと思う。

原作ものは、原作があるからベースの話はしっかりしているはず。という誤解を上手に使わなくちゃいけないと思う。
指輪物語でさえ序盤のフワフワ感から中盤以降後半に進むに従って急速に固まっていく感じ。

指輪物語が映画化されるとき、最終盤の味わいを基準に序盤の雰囲気を入れ替えて、開始からラストまで一貫した物語がどっしりと据わるというところに文字通り「重さ」があった。
正直、通常のシリーズものでは作ごとに同一のスタッフでも雰囲気や話作りが異なるのが普通。
だけど、ファンタジーものはそうはいかない。締まった雰囲気と筋の通り具合が一番重要だから。

指輪物語は原作ものがすでにして完成品であるという誤解をこの上なく上手に利用して、原作愛読者でさえ完全に映画化されたと一瞬でもそう思ってしまう筋を作って見せた。
原作で一番深く没入する、終盤の下りのあの雰囲気で全編をリフォームし、序盤からラストまでぶれずに紛れもなく指輪物語であるという認識を与えていた。

こういう良い作り方がすでに存在するにもかかわらず、素直にパクらずビジュアルに振った作りをやってしまったのが残念。そのビジュアルも、明らかに金がかかってないシーンが混ざっているせいでただの暇つぶしにもってこいのそこそこ面白い映画になってしまった。ファンタジーものの金字塔のはずなのに・・・。

とはいえ、ただの映画であれば、そうつまらないものではないからこれはこれで良いのかなと思う。
かわいそうなのはやはり、原作を擦りきれるまで読んでいる愛読者だ。
愛読書がこれじゃなくて良かった。
黒猫クックさん [DVD(吹替)] 6点(2009-04-26 19:50:11)
黒猫クック さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2016-01-10スター・ウォーズ/フォースの覚醒8レビュー6.85点
2015-12-26ロボコップ(2014)9レビュー5.66点
2015-09-20007/慰めの報酬7レビュー6.16点
2015-06-14映画 鈴木先生8レビュー6.24点
2015-06-08バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)9レビュー6.35点
2015-04-13機動戦士ガンダムUC/episode 5 黒いユニコーン5レビュー5.33点
2015-04-12007/消されたライセンス6レビュー6.65点
2015-03-29アメリカン・スナイパー9レビュー6.94点
2015-03-23遊星からの物体X8レビュー7.70点
2015-03-21007/カジノ・ロワイヤル(2006)8レビュー7.14点
ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS