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日本でのクリントイーストウッドの印象があまりにも本国と違うがために、イーストウッド監督作品の持ち味が誤解され、その誤解されているというフィルターで鑑賞されてしまう代表的な作品ではないかと思う。
基本的に日本で見られるイーストウッド監督作品評には必ずマグナムやアメリカの象徴とアメリカ的な悪との対決と言うような文章がついて回るが、多種多様な人種や国の人が書く本国のレビューでそういう語られ方をしているのをあまり見かけないことを考えると日本独特の考え方なのかなって言う気がしないでもない。 テレビ東京で昼に放送される映画のみでそういう評価がなぜか固まってしまったローカルなイーストウッド評ではないかと思う。堺正章がオーストラリアで、孫悟空を演じる日本人人気アクターという評価をされていた(最近である)とかという話があるけどそれ以上の偏向かもしれない。 そういうことを全く考えずに観たとき、ソリッドな脚本と相まって持ち味が強く引き出されていると思う。 初監督とはいえ、同年ダーティハリーの時にも映画的なフィルタをかけつつも写実的に見せる独特のドキュメンタリ的写実的絵作りを見せていて(一部シーン代打)、すでに技能的な習得をしていることをうかがわせる。 DVDの特典などによく入っている、監督としての評価や手法にかんする評論にしても高技能な職人という言葉がしっくりくると思う。 イーストウッドは80年代にはすでに高評価を受け、ペイルライダーでフランスの文化勲章を受勲している。同作品は日本で一番誤解されているイーストウッド作品でもあると思う。 そういう背景を踏まえ恐怖のメロディをみると、また違った評価になるのではないか。 【黒猫クック】さん [DVD(吹替)] 7点(2009-04-30 00:59:19)
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