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《ネタバレ》 ジリジリと長い一日が過ぎる。誰にでも経験があるのだと思う。
こうなんだからしょうがないだろ、とどうしても腑に落ちない説明を受け、真似させられる。それがいつしか、真似じゃなくなる。 それが不正であったり、不法行為であったとしても、明らかに犯罪ではないだろうかという行為でも人はそこから抜けられないかもしれないと思えばだんだんと染まっていく。最初は屈従だったものが、ただの言い訳になって最後にはしょうがないだろうと同情までさせようとしてしまう。ただし、それが人間かというとそうではない。そういう人間もいる、と言う話だ。多くの人はこのような引き返すことが出来ない生き方を選んでしまうが、同時に多くの人はそんなはずないだろうと牙をむいて不軌をさらけ出す。 アロンゾとジェイクはその狭間を見て、お互いが決して選ばなかった方に歩を向けた人間だ。アロンゾは自分の言いなりになる追従者に支配者然とした圧力を当然のように掛けたが、ジェイクはそう考えていなかった。自分の人生とまるで交わらない人間であるという気持ちを確かなものにした。 マフィアを絡めた物語になっているが、根底に流れる人間の心理は誰の日常にも漂い得るものだ。恐ろしいのは、アロンゾのように抜けられないと思い込んで抜けられなくなるまで染まった人間は、自分の行為に酔っていることだ。端から見たら馬鹿じゃないのかと黙殺されるような事柄に恐怖感や閉塞感で他人を引きずり込もうとする。そうなる分かれ道に理由なんかない。人間の強さがあるかないかだ。 そういうわけでかなり骨太な映画だと思う。 【黒猫クック】さん [DVD(吹替)] 8点(2012-04-15 03:58:42)(良:1票)
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