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思い出補正っていうのも、それほど悪くはないんじゃないか。そういう気持ち。
最初に見たのは「児童」のときだが、最後に見たのは「学生」の時だ。初見では気にならなかった荒っぽさや物語を進ませるための都合も、最後に見たときにはかなり浮き上がってしまっていた。 この映画は、生きていけば生きていくほど増えていく余計な知識を、意図的にそぎ落としたキャラクターたちで作られているのだと思う。年月がたてばたつほど現実世界の人間が持つ当たり前の感性が、登場人物たちとの距離を作り出す。そして彼らと現実性との乖離は進み、ついには見られなくなってしまうのだろう。 そうであれば、子供の頃この映画を見ていた時に一緒に見ていた大人たちは、おそらくこの映画を見ていたんではなく、この映画を見て無邪気に楽しむ子供たちを見て楽しんでいたのではないか。 子供ではなくなってしまった人間が、子供時代を懐かしむときに、子供時代の自分だけではなく周辺の大人の気持ちなんかを考えると、とっても優しい感じの記憶になってよみがえるだろう。この映画自体にはノスタルジーを喚起する仕掛けが施されていないのに、不思議な作品だと思う。 【黒猫クック】さん [DVD(吹替)] 8点(2009-11-20 12:26:12)(良:2票)
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