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《ネタバレ》 子供だけで残されてしまった兄弟たちのサバイバル。最初は母親がいなくても驚くほど秩序が保たれていた生活が下降線をたどる。いくつかのエピソードを絡めながら、淡々と描かれる子供だけの荒んだ生活。部屋が散らかり、着ているものが汚れ、ライフラインが停められ、口にするものも細って行く。でも、これは有り得ないほど奇麗に描いていると思ってしまう。兄の思いやりや、一緒に暮らしたいと願う兄弟の連帯感が。死んだ妹を羽田に埋めに行く行動などは、これっぽっちもリアリティを感じなかった。ドラマを盛り上げるためだけの演出だ。モデルになった実話があるらしいが、その通りに作れと言うつもりはない。映画は現実を誇張したフィクション部分でテーマを浮き彫りにするのが常套なので、文法的には間違っていない。でも、モデルケースがあったなら、変えてはいけない部分もあるはずで、本作はそこを思いっきり履き違えていると思う。生活が崩れて行く中で健気な精神を保っていたら、それは感動的に映る。そこが嘘くさくって仕方が無い。自分の常識だと、兄は荒んで兄弟のことを構わなくなるし、兄弟たちはさらに自分勝手に走るはず。その上で兄弟の心理を描写して欲しかった。普段は見慣れない情景が展開するので見応えはあるのだけど、感想が持てない映画です。子育て放棄の母親を責めるための映画ではないがYOUは適役でした。そこにプラス1点。
【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(邦画)] 3点(2010-06-12 13:32:48)(良:2票)
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