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《ネタバレ》 まさかレミーの正体が評論家に明かされるとは思わなかった。だが考えてみると、この映画の主題は「料理は誰にでもできる」なのだ。どんなに無理な、突拍子もない夢だって、「お前が? そんなの無理無理~~」と言われる夢だって、絶対叶わないなんて言えないんだよ、と言ってるのがこの映画なのだ。よりによって、不潔なドブネズミがフランス料理のシェフになりたいなんて、ありえなさすぎる(笑)。このありえなさすぎってところが効果的にこの映画に笑いをもたらしているのだが、とにかくこれに比べれば大抵の夢なんてずっと現実味があるってもんじゃないだろうか?
そして「どんな無理と思える夢だって、無理じゃないかもしれない」というためには、やはりレミー本人が評論家に堂々と認められないと説得力がなくなってしまう。フランス1の辛口評論家を実力で納得させるのは、リングイニではだめなのだ。それでは焦点がぼけてしまう。だからあんな展開になったのだろう。 普通は映画にせよ小説にせよ、作者の言いたいことというのは話の中に自然に折り込むのが常套手段だと思うが、本作品ではそれが非常に分かりやすい形で(イーゴの評論文)最後に語られる。やや説教臭くなってしまうけど、この不思議な突拍子もない物語をきちんとまとめてみせる効果があったと思う。 ラタトゥーユに感動する場面も効果的だ。が、日本人なら漫画雑誌等でこれよりもずっと凄い表現を多々目にすることも事実(特にワインのあの漫画)。だが「たかがワイン1本でお前妄想が激しすぎやしないか」と漫画にツッコミを入れたくなる自分にとっては、この程度ぐらいでちょうどよい。 賛否両論あるようだが、個人的には実に不思議な感動を味わえた。さすがピクサー。 【空耳】さん [DVD(字幕)] 9点(2009-01-20 07:45:22)
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