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《ネタバレ》 ストーリーは至極単純なものです。一人のボクサーの挫折と復活でしかないのですから、これはそこら辺にありふれた型でしょう。しかしこの映画が只のボクシング映画に終始していない理由は、ボクサーの家族、もっと言えば兄との関係にグッとピントを絞っているからでしょう。ミッキーの兄であるディッキーは誰がどう見ても過去の栄光にすがっているだけのクズ野郎。マネージャーをしている母・アリスもとても良い母親とは言えないでしょう。周りの姉妹に関しても同様。ミッキーの立場からすると、家族を切り、彼女と新しいセコンドを選択することは当たり前に思えるでしょう。でもそう簡単に割り切れないのが家族の絆というもの。だからミッキーは極限まで悩み続けなければいけない。今までの家族の関係を切り、新しい居心地の良い家族を迎えることの難しさ、は一般的な問題であるので、観客の私も一緒に悩んでしまいました。
役者陣の素晴らしい演技は言うまでもありません。全員が良くあれだけ下町訛りの英語を自由自在に操れるのか本当に不思議ですね。特筆すべきなのはクリスチャン・ベールでしょう。前作のバットマンを撮る前にも、マシニストでとんでもない肉体改造をしていましたが、今回もバットマンの撮影を控えている身で、あの肉体造り。彼の体がやや心配になってしまいました。 【民朗】さん [映画館(字幕)] 7点(2011-05-07 22:14:36)
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