| 作品情報
レビュー情報
《ネタバレ》 ヤン・シュヴァンクマイエルの作品の中ではかなり分かり易いというか、腑に落ちる作りになっています。切り絵アニメーションが描く現実と夢の世界がごちゃ混ぜになる画は確かにビザールでシュルレアリズムを強く感じさせますが、キチンと劇映画にはなっているのでストーリーは簡単に呑み込めます。主人公はなんの刺激も無い人生の中で夢にその願望を描き出していく。個人的に藤子・F・不二雄の傑作短編「やすらぎの館」を思い出しました。中年に差し掛かった男性に生じる若い母親への羨望。自分が赤ん坊となってもう一度母親に弄ばれたい、優しく扱われたいという願望。恐らく主人公の夫婦には子どもがおらず妻が母性本能を欠片も示さないことも関係しているのでしょう。それにしてもヤン・シュヴァンクマイエルはこのような一般的に考えると恥ずかしい願望を堂々と映像化する辺りすごいと思いますね。やっぱり映画は監督の思想を表現してナンボなんだと改めて思えました。
【民朗】さん [映画館(字幕)] 6点(2012-03-25 16:17:48)
民朗 さんの 最近のクチコミ・感想
|