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《ネタバレ》 前作の『容疑者Xの献身』は二時間ドラマをそのまま映画館で流したような印象でしたが、本作はキチンと映画として完成されていたと思います。元々東野圭吾のガリレオシリーズの長編は短編に比べるとトリックも派手なモノは少なく、キャラクターの人間関係に絡み合う因縁に重きを置いた作品が多いだけに、本作の様に終始落ち着いた画作りは良かったと思います(前作は矢鱈に奇をてらった演出が多いのが終始不満だった)。それでいて東野圭吾自身が理系出身であることも影響しているであろう、少年に科学の面白さを伝えるペットボトルロケットの場面だけは非常にカタルシスを感じるように演出されており、他の場面との対比が素晴らしい。また物語のキーにもなる"美しい海"の映像を見せる意味でも機能している。
また邦画でありがちなロケ地の風景を是れ見よがしに見せつける様な映像が無かったことも良かった。海の風景は度々繰り返されますが、これは前述の通り物語の重要なファクターなので必然性のある画でした。 忘れてはいけないのが脚本・編集の上手さ。長編小説を、特にミステリーを映画化するときはどうしても説明的な場面が多くなり、間延びしがちですが、一つのシーンにいくつかの要素を入れ同時に説明している場面が多々あり、全体的にタイトに間延びせずに仕上がっていると思いました。 最も惜しいなと思ったのが、個人的な好みもあるかも知れませんが、種明かしが始まってからが長いことでしょうか。流石に愁嘆場を含めて30分はかけ過ぎかも。 【民朗】さん [映画館(邦画)] 7点(2013-07-28 11:08:07)
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