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《ネタバレ》 藤原竜也の醜悪な演技にヤラれました。
この映画のストーリーは簡単に要約してしまうと「極悪人であっても法の下に平等に扱うべきかどうか」ということだと思います。この作品は二つの解を提示する。 一つは主人公が選んだ"どんな人間も法を無視して殺されるべきでない"というもの。ましてや賞金を得るために人を殺すなんてとんでもない。 もう一つは劇中の誰もが話すように"更生が絶望的な社会のクズは法に関係なく排除すべし"というもの。この感覚を観客が共有するには清丸が更生不可で社会に害しか及ぼさない完全な悪である必要がありますが、藤原竜也は少々やり過ぎな感もありましたが、その役柄に求められるキャラクターを見事に演じ切っていたと思います。 私も主人公の最後の決断を支持したい一方で、清丸の様な人間なんて問答無用に殺してしまえばいいと思ってしまったので、まんまと三池監督の掌の上で転がされてしまっていたんだと思います。 この清丸のキャラクターの描き方は秀逸で、母親の死を知り泣き崩れる姿を見て、「ああ、やはり生まれついての悪人はいないんだな。だから更生も可能な筈だ」と思わせておいて、松嶋菜々子演じる白岩の殺害(殺した理由がオバさん臭いというのも嫌悪感を増大させる)、死刑判決時の「どうせ死ぬんならもっとやれば良かった」という発言により、観客をとことんアンビヴァレントな状況に追い込んでいく。この辺りの脚本は素晴らしいです。 それから『十三人の刺客』の稲垣五郎、『悪の教典』の伊藤英明に続いて、いつも基本的に良い人しか演じない大沢たかおのイメージを逆手にとったキャスティングも見事でした。 少し気になってしまったのは役者さんがややオーバーアクト気味だったこと。芝居がかり過ぎているというか、Vシネ時代の三池監督の作品を見ているようでした。具体例をあげるなら岸谷五朗の「無い!絶対に無い!断じて無い!!」っていう台詞とかね。まあ気になって程度ですが。 【民朗】さん [映画館(邦画)] 7点(2013-05-06 23:41:02)(良:2票)
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