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《ネタバレ》 ジョン・カサヴェテスはインプロヴィゼーション(即興演技)の監督として知られていますが、この映画ではその演出が実に上手く機能している様に感じられます。伝説と化しているジーナ・ローランズの鬼気迫る"こわれゆく"演技は勿論、夫を演じたピーター・フォークやその他の端役の人物まで、あるがままの瞬間をカメラに収めたとしか考えられず、この物語が只の一夫婦の話ということを強烈に印象付けられます。その演出に効果的に使われているのが超クローズアップの多用ですが、このクローズアップが登場人物の目のゆらぎ・僅かな顔の揺れや震えを以て感情を鮮やかに映し出す。こういう機微は役者の顔をカメラに収める映画という媒体でしか成し得ず、「ああ、俺は今映画を観ている」と強く感じました。こういうのが本当の映画なんだと思う。
ストーリーに関しては、個人的な思い入れがあるため、ここでは述べられませんが、簡単に言うならば"夫婦"のあり方を大変鋭く無慈悲に愛を込めて提示した作品であると思います。 【民朗】さん [DVD(字幕)] 9点(2013-07-16 00:52:42)
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