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《ネタバレ》 プロットやドキュメンタリー調の映像を使っているところなど、『ジャッカルの日』に雰囲気が似ているなと感じました。『ジャッカルの日』ではターゲットはひとりなのと対照的に狙いは8万人の観衆を皆殺しとグレードアップさせていますが、クライマックスが大群衆の集まる場所で、そこに向けてサスペンスを盛り上げるというあたりはそっくりです。まあT・ハリスの原作自体がF・フォーサイスの『ジャッカルの日』をパクった様なものなので、こうなるのは当然と言えば当然でしょう。 でも映画の出来自体は、F・ジンネマンの『ジャッカルの日』には到底及ばなかったと言えるでしょう。まずスーパーボウルの会場をねらってテロを企む動機が良く理解できない。現在のアル・カイダじゃないんだから、アラブゲリラがイスラエルではなくアメリカ国内であんな大規模な無差別テロを計画するなんてちょっと不自然です。そのテロ自体にしても、しょせんは飛行船なんだからヘリから船体に銃撃されればあっという間に撃墜ですよ。でもなぜか誰も撃たない。この映画の脚本にはこの種のサスペンスに不可欠な緻密さが欠けていて、ちょっと荒っぽすぎます。ラストで飛行船が爆発するシーンも、あまりにチープな映像だったのはがっかりでした。 余談ですが、M・ケラーが看護婦に化けてR・ショーの病室に入りこもうとするシーン、思わずニヤリとさせられました。『キル・ビル』でD・ハンナがアイパッチを付けた看護婦コスプレをするシーンとしてタランティーノが見事にこれを再現しているからです。
【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2013-05-11 20:59:36)
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