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《ネタバレ》 原作は、筒井康隆が本家『日本沈没』の出版直後にパロディとして数時間で書き上げたという短編小説、それが三十年以上たって突然の映画化、まあこれは草彅剛のあの『日本沈没』に悪ノリというか便乗して撮られた企画らしい。監督はそのセンスの悪さで撮る作品がことごとく酷評されるという特殊能力を持つ河崎実、本作でもその特技を遺憾なく発揮しています(笑)。 筒井康隆のブラックな持ち味は低予算パロディには相性がよさそうなもんだけど、あまりにエピソードがつぎはぎだらけ状態なのでほとんど笑えない。稲川素子事務所バックアップの甲斐あって無名の外人タレントが大挙出演、エキストラも含めると日本人出演者より数が多かったんじゃないかと思うぐらいです。まあその中でも印象に残ったのはオスカー俳優役だった人で、なんか若き日のエドワード・バーンズみたいでカッコよかったな。でも全編に満ち溢れる外人をコケにするギャグは“どこまで本気なの?”と心配になるぐらいで、こりゃ地上波じゃ絶対に放送できないレベルですな。そして妙なところで特撮に凝ったりしていて、ほんとこの監督のセンスにはついてゆけない。最後には日本も沈没して人類滅亡となるわけですが、なぜか穏やかな夫婦生活が何度も挿入されるTVプロデューサー夫婦が、線香花火を二人で愉しむカットにはなんかホロリとさせられました。せっかく子宝を授かったのに、産まれてくる子の顔も見ないでみんなとともに滅びてしまうんですからね。でも人類がけっきょく滅亡する筒井康隆の作品なら、『霊長類南へ』を映像化して欲しいものです、監督は河崎実以外でね。 田所博士役の寺田農は樋口真嗣版の『日本沈没』でも同役でのオファーがあってどっちに出演するか迷ったそうです、迷った挙句に出たのがこっちかよ!このチョイスは理解不能です(笑)。
【S&S】さん [CS・衛星(邦画)] 3点(2022-07-23 22:38:20)
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