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《ネタバレ》 ファンタジーなのに寓話性が少ないし、ちっとも“数奇な人生”じゃないと感じさせちゃうところが本作の弱いところかな。これなら、「俺の方がよっぽど数奇な人生を送ってきたぞ」と言いたくもなります(もちろん若返ってはいませんけど)。デヴィッド・フィンチャーとファンタジーではいかにも相性が悪そうでもある。でもこれだけ“老い”と“死”をじっくり美しい映像で見せられると、たぶんもう人生の半分は終わってしまった自分たちの世代には考えさせられることも多いのは確か。東洋思想には「死は生であり、生は死である」という輪廻の死生観があるけど、この映画では「人生は一度きりで後戻りはできない」と訴えるいわば“一期一会”的な語り口で一貫しています。「秒針が逆に進む時計」はそういう意味では象徴的だと思います。そう言えば、不思議と宗教色がほとんど感じられないところがあって面白いと言えます。ブラピとケイト・ブランシェットの特殊メイクは見ものですが、こういう特殊技術が自己主張し過ぎていないところは好感が持てます。
【S&S】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-08-20 23:35:02)
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