サンセット大通り の S&S さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > サ行
 > サンセット大通り
 > S&Sさんのレビュー
サンセット大通り の S&S さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 サンセット大通り
製作国
上映時間110分
劇場公開日 1951-10-05
ジャンルドラマ,モノクロ映画
レビュー情報
《ネタバレ》 70年前の映画とは思えない、現代の眼で観てもまったく古さを感じない鬼のような傑作。海外の映画サイトやキネ旬のオールタイム・ランキングには当然ランクインしていますが、面白いことに近年になってどんどん順位がアップしています。 死者のモノローグは『深夜の告白』でも使ったワイルダーお得意のストーリーテリングですね。この映画の凄いところは、ウィリアム・ホールデン周辺の仲間たち以外、つまりグロリア・スワンソン=ノーマ・デズモンドや登場する実在の映画関係者たちが、みんなセルフ・パロディとして登場することです。ノーマとブリッジをするメンバーは三人とも実在のサイレント時代のスターですが、この人たちを“蝋人形”だとモノローグで言わせちゃう脚本がエグい、その中の一人はバスター・キートンなんですからね。グロリア・スワンソンにしてもよくこの役を請けたなと感心します、グレタ・ガルボやメイ・ウェストには当然のごとく拒否されてますからねえ。『何がジェーンに起こったか?』のベティ・デイビスとジョーン・クロフォードの先駆けだったと言えるでしょう。ノーマのセリフにもあるようにサイレント時代の女優は顔というか表情で勝負、スワンソン自身もまるで歌舞伎の大見栄を切るような大芝居の連続で、ここは彼女のサイレント女優としての本領が発揮できたんじゃないでしょうか。そんな中でセシル・B・デミルだけはノーマに優しいいい人キャラ、さすがパラマウント映画の大御所・大監督だけあってワイルダーも忖度してしまったのかな(笑)。ノーマとマックス=エリッヒ・フォン・シュトロハイムの関係なんかも始めは不気味に感じるけどだんだん感情移入してきて、ラストの映画監督に戻って指示を出すところなんかは心に染みます。 この映画はフィルム・ノワールの傑作と分類されていますけど、私はビリー・ワイルダーが生涯撮った唯一のホラーじゃないかと思います。
S&Sさん [CS・衛星(字幕)] 9点(2022-01-13 22:06:54)
S&S さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2024-11-20花嫁はエイリアン7レビュー7.09点
2024-11-17マンディ 地獄のロード・ウォリアー4レビュー4.75点
2024-11-14地球の静止する日6レビュー6.74点
2024-11-11モンスター・パニック3レビュー4.40点
2024-11-08バビロン(2022)5レビュー5.77点
2024-11-05バッド・ルーテナント7レビュー5.79点
2024-11-02新 仁義なき戦い 組長最後の日6レビュー5.11点
2024-10-31ミステリー・トレイン7レビュー6.00点
2024-10-28ボウリング・フォー・コロンバイン8レビュー7.17点
2024-10-25唄う六人の女6レビュー6.50点
サンセット大通りのレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS