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レビュー情報
《ネタバレ》 典型的な低予算B級ホラーと舐めてかかってはいけません。製作はドリーム・ワークスでエグゼクティブプロデューサーはベン・スティラー、音楽グレーム・レヴェル・撮影監督ダリウス・コンジとスタッフも一流です。『シンプル・プラン』のスコット・スミス書いた小説が原作ですけど、ピラミッドの頂上というほぼ限定された空間は、独創的な映像アイデアだと思います、予算も節約できますしね。この映画の上手いところは、必要最小限の情報しか観客に与えないことでしょうね。ピラミッド自体はマヤ文明の遺跡らしいけどなぜその周囲にだけ食人草が生えているのか、原住民たちは若者たちをすぐに殺さずにピラミッドの頂上に追い詰めたのか、そもそも連中は何者なのか?こういう不条理とも言うべきストーリーテリングは自分の好物です。モンスター・ホラーと言っても食人草自体は積極的に攻撃してくるわけでもないのですが、着信音を音声模写(?)して獲物をおびき寄せるところなんか、はっきり言って荒唐無稽ですけど昆虫が使う擬態が連想されてゾッとします。けっきょく本作で怖いところは食人草よりもドツボにはまって自滅してゆく五人の運命で、これはほんと文字通り痛々しい。“石で骨を粉砕してナイフを使って両脚を切断”なんて、良くこんなこと考えつくなと感心してしまいます。この映画は、食人草よりも極限に追い詰められた人間がとる痛々しい行動に恐怖する種類のホラーなんです。B級ではありますが、掘り出し物と言えるホラーなんじゃないでしょうか。
【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2021-12-21 19:41:10)
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