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《ネタバレ》 中年の仕立屋イール氏は対面の部屋の若い娘・アリスを毎日覗くのが趣味で彼女に恋をするが、この女はイール氏をハメて恋人の殺人の罪をなすりつけようとするのだった…とまあ要約すると身も蓋もないお話しです。このイール氏がつるんとした端正な顔立ちなんだが劇中で一度も笑顔を見せず、アリスが窓越しに覗いているイールに始めて気が付くシーンや暗がりから現れるイールの青白い顔なんかから、禿げているせいもあり『吸血鬼ノスフェラトゥ』のマックス・シュレックを思い出させてくれる不気味さがあります。そんな変態中年と性悪女の物語も、マイケル・ナイマンの音楽と美しい映像のせいで誌的な中編映画に仕上がっています。あの『メグレ警視』シリーズのジョルジョ・シムノンの小説が原作なんだが、もう完全にパトリス・ル・コントの映画になってしまってますね。このような尽くす男とエロい女という図式は、彼ならではのまさにフレンチ・エロスの極地ですな。孤独な中年男の悲劇的な最期には胸が痛みますが、アリスと逃避行に成功したという仮定で書かれた手紙には泣かされます。
【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2025-03-31 22:45:08)《新規》
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