| 作品情報
レビュー情報
《ネタバレ》 時はバブル経済が芽吹きだした86年、まだ河田町でぶいぶい言わせてた頃のフジTVが自社で売り出しにかかっていたとんねるずの人気に便乗し、これまた『家族ゲーム』などでその鬼才ぶりが注目されていた森田芳光を起用した怪作というか単なるポンコツ映画。なんせ併映が『おニャン子ザ・ムービー 危機イッパツ!』ですからねえ…むか~しリリースされたばかりのころレンタルビデオで観た記憶があるけど、あまりのつまらなさと訳の分からなさで途中でギブアップしてしまった記憶があります。ウン十年ぶりに観直しましたが、やっぱこれは酷いわというのが率直な感想、製作者に今や日本一の悪役となってしまったフジ・メディア・ホールディングスの取締役相談役のご尊名をお見掛けするのが妙に香ばしい限りです。 まあフジ側からの企画に乗っかって脚本書いた森田だろうが、潤沢な予算に眼がくらんで適当に遊んでみましたって感じなんだろうな、でもこういうのぼせ上ったことをするから彼はその後の低迷期を招いてしまった気がします。バラエティー番組のノリのまんまのとんねるず二人の演技は観ていてだんだん不愉快になってくるレベル、それに合わせて支離滅裂なエピソードを延々と見せられるのも耐え難い。電通と博報堂をパロッたト社とラ社という広告代理店が舞台だけど、あの軽薄極まりない両社の営業や社内は当時のフジの社風そのまんまだったんだろうな。でもここまでミエミエのモデルにされてコケにされた両社にもいくら何でも失礼の極み、広告業界出身だった筒井康隆の”士農工商代理店”という名惹句が思い出されますけど、当時のフジというかTV業界の傲慢さが透けて見える気がします。それが最後に合併して〝トラ社”になるとは、もうミエミエのオチでしたがこれで笑える人なんていますかね?演者はポンコツ映画にしてはけっこう豪華な面々と言えますが、自分としては名取裕子にあれだけおバカな演技をさせたってのはある意味偉業だったと思います(笑)。 けっきょく今や否定されかかっている所謂ギョーカイのおかしなところを再確認させてくれる価値はあるのかな、ってぐらいしか褒めるところないです。木梨憲武と安田成美が結婚するきっかけとなったということも、おっと忘れてはいけませんね。
【S&S】さん [CS・衛星(邦画)] 1点(2025-03-19 22:28:17)★《新規》★
S&S さんの 最近のクチコミ・感想
|