アウトロー(1976) の S&S さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > ア行
 > アウトロー(1976)
 > S&Sさんのレビュー
アウトロー(1976) の S&S さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 アウトロー(1976)
製作国
上映時間135分
劇場公開日 1976-08-07
ジャンルアクション,ドラマ,戦争もの,ウエスタン,小説の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 “建国200周年記念映画”と銘打たれていますけど、輝かしい勝利を謡った『ミッドウエイ』と違って、西部劇とは言え南北戦争当時の合衆国史の暗部を取り上げているところがイーストウッドらしい。彼が撮った西部劇には一癖も二癖もあるのが特徴です。 彼が演じるジョージ―・ウェルズは、とても農夫だったとは思えない『荒野の用心棒』の名無しの男みたいな無敵のガンマン。もっとも銃を撃ったより毒液の様な唾を吹いた回数の方が多かった感じです(笑)。この物語は先住民チーフ・ダン・ジョージと出会ってからのバディムーヴィー風味が強くなってきます。政治的には保守のイーストウッドですが彼の作品はマイノリティに暖かい視線を向けることが多く、本作ではアメリカ先住民を人間として勇士として扱う敬意を強く感じました。そして忘れられないのがあの“お尻ペロリ”シーンのソンドラ・ロックでこれがイーストウッド映画の初出演、そしてこの後皆さまご存知のようにイーストウッドを生涯悩ませる女となるわけです。でも本作の彼女は可憐だったのは確かでイーストウッドが惚れたのも無理ない、というか、後に結婚したフランシス・フィッシャーもそうだし彼はこういう細いタイプが好みみたいですね。 本作は妻子を殺された男の復讐劇なんですけど、隠れテーマは“和解”なんです。もちろんこの映画の戦争は南北戦争ですけど、やはり製作時期を考えるとヴェトナム戦争を意識せざるを得ないんじゃないでしょうか。ラストのジョン・ヴァーノンの「戦争は終わったと告げよう」というセリフには、ヴェトナム戦争とウォーターゲート事件でボロボロ状態だった当時のアメリカ社会へのメッセージだったんじゃないでしょうか。これこそイーストウッドが建国200周年で訴えたかったことだと感じました。
S&Sさん [映画館(字幕)] 8点(2021-05-13 23:24:35)
S&S さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2024-04-27オースティン・パワーズ ゴールドメンバー7レビュー5.40点
2024-04-24レインメーカー8レビュー6.68点
2024-04-21アルプススタンドのはしの方6レビュー6.88点
2024-04-18ワイルド・リベンジ7レビュー7.00点
2024-04-15ファイティング・ダディ 怒りの除雪車7レビュー7.36点
2024-04-12雲の上団五郎一座7レビュー6.00点
2024-04-09オースティン・パワーズ:デラックス6レビュー5.39点
2024-04-06大菩薩峠 完結篇(1959)6レビュー6.11点
2024-04-03ジョン・ウィック:コンセクエンス8レビュー6.88点
2024-03-29江分利満氏の優雅な生活6レビュー7.00点
アウトロー(1976)のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS