シン・レッド・ライン の S&S さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > シ行
 > シン・レッド・ライン
 > S&Sさんのレビュー
シン・レッド・ライン の S&S さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 シン・レッド・ライン
製作国,カナダ
上映時間171分
劇場公開日 1999-04-10
ジャンルアクション,ドラマ,戦争もの,小説の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 良くも悪くも、映像詩人テレンス・マリックらしい戦争映画でした。“Thin Red Line”とは、そもそも19世紀のクリミア戦争で赤い軍服を着た550人のスコットランド兵が二列横隊でロシア軍騎兵の突撃を撃退した故事のことで、マリックは神が定める生と死の境目として“Thin Red Line”を使っていると思う(もっとも原作小説の題名なのですが)。草が生い茂る丘に風が吹きぬけて、夏草がまるで“ウェーブ”しているかのように揺れるシーンは、“草フェチ”であるテレンス・マリックらしさが良く出ています。戦闘シーンは考証が行き届いていてリアルなのですが、兵士たちの描写はちょっと変わっていて私には疑問があるところです。だいたい、兵士は戦場でこの映画の様に内省的になれるものだろうか、そんなはずはないと私は思うのです。ひっきりなしに流れる登場人物の自省的なモノローグでストーリーが進行しますが、「神と自然」の関係なぞ生死をかけた戦場で人の心を占めるものでしょうか?  “Fuck”を連発する『フルメタル・ジャケット』や『ジャーヘッド』の海兵隊員たちとは対極になるのでしょうが、兵士とはどこの国でもとことん物を考えないように訓練される存在のはずです。そういう意味でも、本作はマリックの戦争を題材にした哲学ファンタジーだと思います。
S&Sさん [CS・衛星(字幕)] 6点(2010-05-02 23:50:52)(良:2票)
S&S さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2024-11-20花嫁はエイリアン7レビュー7.09点
2024-11-17マンディ 地獄のロード・ウォリアー4レビュー4.75点
2024-11-14地球の静止する日6レビュー6.74点
2024-11-11モンスター・パニック3レビュー4.40点
2024-11-08バビロン(2022)5レビュー5.77点
2024-11-05バッド・ルーテナント7レビュー5.79点
2024-11-02新 仁義なき戦い 組長最後の日6レビュー5.11点
2024-10-31ミステリー・トレイン7レビュー6.00点
2024-10-28ボウリング・フォー・コロンバイン8レビュー7.17点
2024-10-25唄う六人の女6レビュー6.50点
シン・レッド・ラインのレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS