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イサベル・アジェンデの『精霊たちの家』の映画化ですが、彼女は73年のクーデターで殺害されたチリのアジェンデ大統領のいとこにあたり、原作小説もクーデターを織り込んだ70年間にわたるチリ現代史のサーガになっています。しかしこの映画では、舞台となっている国がチリであることを観客に理解させるセリフや描写が皆無なのがとっても不思議でした。 それにしても、ため息が出るほど豪華な出演者たちだこと! 全盛期を迎えていたジェレミー・アイアンズは、もう男の色気というかオーラがまぶしいくらいですし、メリル・ストリープとグレン・クローズの夢の共演(現在までこれ一度きり)とは何と贅沢なことでしょう。とくにグレン・クローズの演技は素晴らしく、彼女が霊となってメリル・ストリープたちの前に現れるシーンには思わず鳥肌が立ちました。ただ脚本が、南米文学に特有の「現実と超現実の境い目を超える壮大なホラ話」的な要素をばっさり削っているので、なんか壮大なメロドラマにしか観てもらえないのが残念です。
【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-12-04 23:30:01)
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