新・仁義なき戦い 組長の首 の S&S さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > シ行
 > 新・仁義なき戦い 組長の首
 > S&Sさんのレビュー
新・仁義なき戦い 組長の首 の S&S さんのクチコミ・感想
作品情報
レビュー情報
《ネタバレ》 菅原文太が主演するだけでもはや『仁義なき戦い』とはなんの関係もなくなった物語で実録路線でもないフィクション、ここまで来るともはやタイトル詐欺、『組長の首』にしてもペキンパーの『ガルシアの首』のパクりですしね。ヤク中で破滅するサブキャラになんと山崎努が起用されているのが驚き、彼は東映初出演だったが本来は松方弘樹が予定されていたキャラだそうです。でも『暴力金脈』の単独主演が成功して役者としての自信が出てきた松方はキャスティングを拒否、文太も「わしゃぁもう実録路線には出演せん!」とごねた挙句の完全フィクション脚本、いろいろと製作には苦労があったみたいです。でも山崎のシャブで破滅する大物組長の娘婿というキャラはさすがにいい演技を見せてくれ、なんかお得な気分になれました。“修羅の国”北九州が舞台で文太が演じるキャラの方は単に“旅人”としか説明がない流れ者、でも『仁義なき戦い』の広能昌三とは違ってなんか脂ぎって執念深い生々しい男で、自分が対立組長を射殺して7年も懲役くらったのに出所後の対応が酷いと流れ者のくせにゴネて老舗組織をひっかきまわす。仁義とか義理なんて眼中になくひたすらカネと地位を追及する男で、考えてみればこいつさえ存在しなければ西村晃も成田三樹夫も室田日出男も死なずに済んだんじゃないかな、最後に自分だけは野望を成就して終わりってなんか酷くない?実在のモデルが存命中だった『仁義なき戦い』ではでは無理だったリアルなヤクザ像を、フィクションであるからこそ文太のキャラに投影できたんじゃないかな。あと抱いた男がみな死んでしまうという究極の死神女・ひし美ゆり子が強烈な印象を残してくれます。なんせあのアンヌ隊員が脱ぎまくるんですからね、こりゃ衝撃ですよ。薄幸の女という梶芽衣子が演じそうなキャラではなく、自分の魔性を自覚しながらしぶとく世渡りするしたたかな女だったところも良かったです。この死神女ぶりを判っているのに愛人としている成田三樹夫の(ちょっとここでは書きづらい)厄除け法が面白い、というか笑っちゃいます。けっきょく彼もジンクスは破れなかったけどね(笑)。まあ『仁義なき戦い』に拘らなければ、普通に退屈させないヤクザ映画だったと思います。
S&Sさん [CS・衛星(邦画)] 7点(2024-09-24 23:49:02)★《新規》★
S&S さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2024-09-24新・仁義なき戦い 組長の首7レビュー6.10点
2024-09-21記憶にございません!5レビュー5.47点
2024-09-18スカイエース6レビュー6.00点
2024-09-15ウォーク・ザ・ライン/君につづく道6レビュー6.00点
2024-09-12オール・ザット・ジャズ8レビュー6.90点
2024-09-09首(2023)6レビュー5.48点
2024-09-06リトル・ミス・サンシャイン8レビュー7.33点
2024-09-03十三人の刺客(2010)7レビュー6.18点
2024-08-30戦争の犬たち(1980・アメリカ)6レビュー5.73点
2024-08-27親不孝通り6レビュー6.00点
新・仁義なき戦い 組長の首のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS