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《ネタバレ》 J・タチの『ぼくの伯父さん』を現代のアメリカに舞台を移した様なプロットですが、そこは『ぼくの伯父さん』がメルヘンだったのと対照的にリアルでほろ苦いストーリーに仕上がっています。まず伯父さんがタチの様な善悪を超越した善人じゃなくて、ぐうたらで衝動的な行動ばかりする男なのです。でも甥っ子にとっては彼が呼び寄せる騒動が、これから母親の庇護を離れて社会で苦労するためのちょっと早すぎるOJTなんでしょう。それにしても実の父親が少年にとった態度は、映画の中の出来事とは言え心が痛みました。 L・リニーはこれでオスカーにノミネートされただけあって、さすがの演技でした。このお姉さんが真面目で何事もキチンとして行かないと気が済まないタイプと思いきや、けっこうヒステリックだし裏では腹黒いこともするのが面白い。新任の上司のM・ブロデリックと寝て翻弄するところなんか、自分たちの身の回りにも必ずいそうなタイプの女性でリアルでした。 これまた決して善人ではない姉ですが信仰心は深く、牧師を自宅に呼んで正反対の弟に説教させたりします。妙に宗教臭いところがあるなと思ったら、製作総指揮はM・スコセッシでした(笑)。
【S&S】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2013-05-22 18:42:43)
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