ファイト・クラブ の Nujabest さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > フ行
 > ファイト・クラブ
 > Nujabestさんのレビュー
ファイト・クラブ の Nujabest さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 ファイト・クラブ
製作国,
上映時間139分
劇場公開日 1999-12-11
ジャンルアクション,ドラマ,サスペンス,犯罪もの,小説の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 "生"の実感がわかないというのは、現代日本人にとっては結構深刻なもので、至るところで噴出している問題だと思う。情報化社会によって人間関係が希薄になり、平和ボケした日本だと尚更。とかく日本は死を隠しすぎ、性を隠しすぎ、痛みを隠しすぎ、快楽を隠しすぎだと思う。そういうことを隠すことが先進国であるという社会になってしまっているから仕方ないが。それらを隠す傾向が続くと"生"の実感がわかない人間が増えるのは至極当然のことなのかもしれない。自分が存在しているという実感がわかないと魂と肉体が分離をはじめて上辷りし、あらゆることに鈍感になる。頭ばかりで考え悩みばかりが増える。そして精神を病む。リスカ症候群、セックス依存、ブランド依存、自殺、いじめ、猟奇的殺人事件、先進国で起こるこれらの問題って、突き詰めていけばこの辺りに辿りつくんじゃないかと思ってしまう。ところで、この映画は、どうにもラストが消化不良。あのシーンの後まで見たかった。自分がいるビルの爆破くらいまでやってくれれば、個人的評価が上がったに違いない。もちろんその為には、マーラをどうするかという問題が残るが。いっそのことマーラを幻覚としてはっきり描いてたのなら、傑作と思ったのかもしれない。自分の心を自分で攻撃する暴力性が、段々と外に向かっていき破壊衝動に繋がる。しかし破壊衝動は外に向かいだすと忽ち自己を破壊してしまう。タイラーと"ノートン"とマーラというキャラは、自己の理想、死への欲動、生への欲動を、それぞれ象徴的に分配したのだと思う。その絡み具合が巧みで、自分の肉体と精神を繋ぎとめていく過程を、斬新な形で纏め上げた手腕は見事。
Nujabestさん [ビデオ(字幕)] 8点(2009-07-22 21:35:43)(良:2票)
Nujabest さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2011-09-15海がきこえる<TVM>7レビュー6.25点
カサブランカ8レビュー7.23点
いまを生きる8レビュー7.19点
2011-02-19ヒア アフター7レビュー6.65点
2010-11-24潮風のいたずら8レビュー7.83点
2010-11-24殺人の追憶8レビュー7.21点
2010-11-24ボーイズ・オン・ザ・ラン8レビュー7.05点
2010-11-16プレシャス7レビュー5.66点
2010-11-16告白(2010)8レビュー7.03点
2010-11-14ロード・オブ・ドッグタウン6レビュー6.76点
ファイト・クラブのレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS