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《ネタバレ》 良い映画だとは思うが、グレゴリー・ペックのアティカスはできすぎ。1930年代の米国南部では、黒人差別は相当なもので人権無視は当たり前であった。映画の裁判シーンでもわかるように、判事や弁護士をはじめ陪審員に至るまですべて白人、黒人は傍聴すら2階席という有様だった。そういう裁判では初めから黒人に有利な判決は考えられなかったのである。
アラバマ州において、黒人の人権運動が起こるのは1955年のバスボイコット事件(黒人女性が白人に座席を譲らなかったために逮捕されたことによる)であり、有名な若きキング牧師の抗議活動もこれから始まったのである。 映画ではグレゴリー・ペックの弁護士が正義で、黒人差別をする側が異端のように描かれているが、当時の状況ではまったく逆であったろうと思われる。であるから、良い映画ではあるが、でっち上げや事実をねじ曲げる米国の正義というものも感じられる。 気になるのは題名、日本名の「アラバマ物語」は何の差し障りもないが、原題の「To Kill A Mockingbird」(モノマネ鳥を殺すには)のMockingbirdは何を指しているのだろうか。何となく不気味なものを感じる。 【ESPERANZA】さん [DVD(字幕)] 5点(2011-04-22 20:02:45)
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