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《ネタバレ》 テレビ映画という制約もあるかもしれないが、今作はハネケらしさを封印し、
フランツ・カフカの世界観を忠実に映像化しようとする姿勢が感じられる。 非常にクセが強く、読みやすいとは言い難いカフカの小説は、 当然、映画も多くの人に受け入れられる代物ではない。 ただ、活字で読むよりはマシだろう。 簡単に言えば測量士Kが仕事で城を訪ねるが一行に入れる気配もなく、右往左往に冬の城下町を彷徨うだけ。 周りの対応にイライラするが、主人公の優柔不断さにもイライラする。 ネガティヴな性格のカフカの人生を反映させているようである。 そして滑稽。 未完の小説を映画では如何してに完結させるか? 普通ならオリジナルの結末を付け加えるがハネケはそれを拒む。 いきなり黒画面を背景に「カフカの草稿はここで途切れている」とテロップを叩きつけて、 観客をそのまま放り出すのだ。 それを含めての不条理劇として受け止めるか、何を描きたいのか分からない映画として唾棄するか。 自分からすれば、その世界観に酔えるほどの感性はなかったということだ。 【Cinecdocke】さん [DVD(字幕)] 4点(2015-06-02 19:25:48)
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