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《ネタバレ》 寡作の映画監督トッド・フィールドの待望の最新作。オープニングショットのスマホのチャット画面の意味が最初見たときは全く分からなかった。が、それでも映画全体を理解するのに大きな障害にはならなかったが、わかっていればもっと味わいも増したのにと悔やまれる感じ。全体的に説明を省く描き方で作品のナラティブを引き締めてそれはそれでいいのだが、要所要所頭をフル回転させないとついていけないように感じられた(単に自分の理解力が弱いだけかもしれないが)。最初のターの芸術談義のシーンは見る人が見れば長すぎと感じるだろうが、私は主人公のキャラクターを提示するためとギリ我慢できた。でも、あと30秒続いていたらアウトだったろう。一番不満だったのはターが夜寝室で異変を感じるシーン。あれを監督はどの程度の意味付けで撮っていたのだろうか?良心の呵責からくる心理的な不安を描いたものなのか?私自身はサスペンスとは思って観ていなかったが、もし仮にそっちの方で意図しているのであれば、回収が必要だったろうと思われる強度を持った中途半端な描写であった。それ以外は後半パワハラを告発され、もがくターの姿を描き、お話にドライブがかかってきても冷徹な視点を保持しているのはさすがトッド・フィールド。相変わらずの格調高さでターの転落人生を十分堪能できました。前作に続きここでのレビューの点数が低いのも見終わってみれば、なるほど最初のインタビュー場面をもう少し刈り込んでもよかったかなぁとは思われるところではある。でも、私としてはエンディングのシニカルな終わり方を含めトッド・フィールド印の作品としてアカデミー賞6部門ノミネートという正当な評価もされており、まぁ、概ね満足のいく作品でありました。
【エリア加算】さん [インターネット(字幕)] 8点(2024-03-20 21:32:09)
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