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《ネタバレ》 いい脚本だと思います。全体を通してドラマの割り振りのバランスも良く、最後デレクが説得を要請されるところで、彼が死ぬのかなと予想しましたが、うまく裏切られ良かったと思います。白人至上主義者集団の姿はカリカチュアしていると思いますが、デレクのように個人的な悲惨な体験と知性がある人間はあのように上に立って指導もできますが、大部分は負け犬の己のダメさを他人に転嫁しているアホタレどもとして描いているのがグーです。デレクが刑務所で友人となるリネン係の黒人のように自分をアホだと言いながら地に足がついている人間が結局は賢いのです。大体苦労知らずのボンクラは抽象観念に酔いしれますが、真の賢者は辛酸をなめつくすことで具体と因果・連関が現実のすべてであることを知るのです。そして人をコンバートするのはそういう苦労を知った者が見せる他者に対するやさしさなのです。デレクは彼から自分の行き過ぎた主義が間違いであること、そして人間としての高潔さの一端を垣間見たのだと思います。また、デレクの父親の回想シーンを通しても洗脳が容易に行われる怖さというのも考えさせられました。環境に左右されずに偏らない主義を抱くのは中々難しいものである、としっかり釘を刺す脚本、憎いです。
もちろんエドワード・ノートンの演技が素晴らしいのは言うまでもないですが、やっぱり彼は知性を持った役が似合いますね。本当なかなかアカデミー賞がとれないですね。第二のアル・パチーノか? 【エリア加算】さん [インターネット(字幕)] 8点(2020-06-20 23:53:44)
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